最近「大人の発達障害」という言葉を耳にすることが増えてきましたよね
”仕事でのミスが多い””先輩の指導が頭に入ってこない、理解できない”
自分は診断はされてはいないけど、「発達障害なんじゃない?」と言われた
自分は発達障害なんじゃないか…。
また、発達障害の診断を受けている。
いろんな悩みを抱えていると思います。
このページに来て下さった人は、それでも看護師として働いていていいの?働きたい!
と思っている方なのではないでしょうか?
実は発達障害でも働ける職場はあります。
なぜなら発達障害はその特性を理解していかせれば能力を発揮することが出来るからです。
私は2回転職をしましたが、発達障害を抱えながらも働きやすいように工夫をして
病棟で勤務を続けられた経験があります。
この記事では発達障害でも看護師として働けるの?という疑問を解決します。
結論は、発達障害の症状で苦しんでいても、工夫をするをすることで自分らしく
働くことが出来ます。
発達障害とは
では、発達障害とはどんなものなのでしょうか?
厚生労働省のホームページで調べるとこのような文言が記載されています。
発達障害は、生まれつきみられる脳の働き方の違いにより、幼児のうちから行動面や情緒面に特徴がある状態です。そのため、養育者が育児の悩みを抱えたり、子どもが生きづらさを感じたりすることもあります。
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_develop.html
発達障害とは生まれつきの特性です
発達障害には、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症(ADHD)、学習症(学習障害)、チック症、吃音などが含まれます。
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_develop.html
これらは、生まれつき脳の働き方に違いがあるという点が共通しています。同じ障害名でも特性の現れ方が違ったり、いくつかの発達障害を併せ持ったりすることもあります。
つまり、発達障害というのは病気ではなく、
状態、いわば特性ということですね。
そして同じ障害の中でも強弱やそのあらわれ方が違うということです。
そして、それぞれの障害を併発することもあると書いてありますね。
その中でも、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、学習症(学習障害)、チック症、吃音
というように種類があることが分かります。
この種類について、特に社会人になったときに問題が多いとされる自閉症スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)一つずつ解説して行きましょう
自閉スペクトラム症
コミュニケーションの場面で、言葉や視線、表情、身振りなどを用いて相互的にやりとりをしたり、自分の気持ちを伝えたり、相手の気持ちを読み取ったりすることが苦手です。
特定のことに強い関心をもっていたり、こだわりが強かったりします。また、感覚の過敏さを持ち合わせている場合もあります。
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_develop.html
自閉症スペクトラム症は(ASD)と訳されることが多いです。
英語版の自閉症の訳Autism(自閉症) Spectrum(スペクトラム) Disorder(障害)の頭文字をとった略称です
ここで言う、スペクトラムとは連続しているという意味で、ASDには、自閉症・高機能自閉症・アスペルガー症候群などが含まれます。
これは、かつて「自閉症」「アスペルガー症候群」「高機能自閉症」とそれぞれ読んでいたものをそれぞれが連続しているものとして、その相称で呼ぶようになったことにより呼び名が変わりました。
簡単に言うと自閉症スペクトラム症では通常の人なら簡単に出来るはずのコミュニケーションに問題が生じる障害と言えます。
注意欠如・多動症(ADHD)
発達年齢に比べて、落ち着きがない、待てない(多動性-衝動性)、注意が持続しにくい、作業にミスが多い(不注意)といった特性があります。多動性−衝動性と不注意の両方が認められる場合も、いずれか一方が認められる場合もあります。
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_develop.html
注意欠如・多動症とは簡単に言うと、落ち着きがなく、衝動性が強く、不注意によりミスが多い状態
ということになります。
あれ?これって、誰にでもあり得ない?と思う方もいらっしゃると思います。
そうなんです。この落ち着きがない、不注意ってだれにでもあることなんです。
しかし、これが”障害”として認定されるかはどうかはその度合いによるものなのです。
例えるなら…
たまに忘れ物しちゃう人と、毎日必ず忘れ物をする人
この二人が居た場合、事象としては同じ忘れ物をした人ですが
後者の毎日必ず忘れ物をする人は、どんなに対策をしても忘れます。
付箋を貼っても、付箋を貼ったこと自体を忘れます
そもそもその日の仕事に必要なものの全体像を把握しきれていません。
書いてある紙も無くす。
こんな感じです。
要は度合いなんです。生活に支障をきたす様な物忘れであれば障害を疑うようになります。
ちなみにこの物忘れは看護師として考えるとなかなか大変です。
命を預かる場面でこの物忘れ、注意欠落をしてしまうと考えると…恐ろしいです。
(私も仕事中いろんなことを忘れそうになるのでタイマーを何個も使いあらゆる工夫をしていました)
この注意欠如・多動症はADHDと良く略されますが
ADHDはとはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの
頭文字をとったものになります。
Attention=注意
Deficit =欠損
Hyperactivity=活動性過多
Disorder=障害
となり注意欠如・多動症の直訳になりますね^^;
現在は症状の現れ方によって「不注意優勢に存在」「多動・衝動優勢に存在」「混合して存在」と分類されています。
それぞれ、「不注意」が強く出ているか、「多動・衝動」が強くでているか、またはそれぞれが混合して現れているかなどに分けられているということでした。
発達障害でも看護師として働けるの?
ここまでは代表的な発達障害の特性についてお話してきました。
それではここからが本題で、発達障害を持っていても看護師として働けるのか?ということになってきます。
結論として…発達障害を持っていても工夫次第で看護師として働けます
その工夫の仕方をこのページでご紹介したいと思います。
また、発達障害といっても「限りなく黒に近いグレーゾーン」というものも存在します。
ほぼほぼ発達障害なのだが診断基準に入らないという方です。
近年は「発達グレーゾーン」などと言われ、その生きづらさについても注目が集まっていますね。
このグレーゾーンの方も含めて看護師として働けるのかということについて言及していきたいと思います。
発達障害があっても看護師として働くための方法
発達障害の私でも看護師を続けられるの…?
大丈夫。そんな不安をお持ちも方でも看護師として働けます。
一番大切なことそれは…職場の理解を得る!!
ええ!そんなこと出来るの!?と思われると思いますがこれが一番お互いにとって楽です。
今は数は多くないですが障害者枠での看護師の求人もあります。
また、紹介サイトの担当者に相談することも手です。
ここでは私の体験談を載せますね。
当時は発達障害の傾向があったことは知っていたのですがメンタルクリニックでは特に言及されておらず、適応障害の診断で服薬をしていたため適応障害での体験談になってしまいます。
発達障害での体験談でなくて申し訳ないです。
私の場合は当時の障害であった適応障害について転職サイトの担当者に伝えました。
転職サイトの担当者は一瞬嫌がるそぶりを見せましたが
転職先の病院に正直に話した方が続けやすいからとエントリーシート(転職サイトの人がつくる簡単な履歴書みたいなもの)にその事実を書いてくれました
その結果、2つ送った病院の1つの病院からはお断りをされましたが
もう1つの病院からそれでも面接をしたいと返信を貰いました。
結果として、面接時、適応障害についても話し、内服している薬のことについても伝えました。
面接後、所属する師長にも病気の事内服している薬のことも伝えました。
結果として、
・週4日のパートからスタート
・一番入れ替わりのない落ち着いた病棟に配属
・中途採用だがプリセプターを付ける
などの配慮をしてもらうことが出来ました。
結果、この精神科ではほとんど休むことなく、夜勤にも無事に入れ、
1年勤めあげることが出来ました。
世の中にはクローズ(障害を隠して働くこと)で働くことを勧める方もいますが私はおススメできません。
なぜなら、クローズで就職活動をすると就職できたとしても
健常者と同じ業務量を求められるからです。
当然と言えば当然なのですが、実際看護の現場は健常者でもギリギリの身体・精神状態で回している
ところが多いです。
そこに精神障害や発達障害がある人が入ったら…確実にパニックになります。
これに対しては私の実体験があります。
転職する際、私は転職の幅が狭くなったら嫌だ!と思ったので
躁うつ病、ADHDに対する情報を一切伏せて(クローズ)で転職活動しました。
転職は無事成功。
すぐに転職先は見つかりました。
優しい先輩たち、優しいプリセプター。比較的穏やかな病棟
ラダー制度の導入。
それなりの忙しさの中で勉強したいと思っていた私にとっては理想的な職場でした。
しかし、比較的穏やかな病棟として療養病棟に入職したのにもかかわらず
療養病棟は看護師の配置が少なく、その上コロナのクラスターが発生し
とてもバタバタな中教育を受け日勤業務を自立しました。
しかし、その中でCVの介助やPegの交換介助、検査出し、急遽入った点滴の更新など
イレギュラーな業務が多く、私は注意散漫な特性からインシデントを起こし
私はだんだんと自信を失っていきました。
そして仕事中は常に緊張している状態が続き、ある日注射専門の係をしている
際に一瞬パニック状態になりました。
一人で注射のミキシング、投与を行う中で一日中緊張しっぱなしの夕方
言い方がきついと言われている先輩に小さな注意を受けました(ここ気をつけた方がいいよという内容だったと思います)
その時、自分の動悸の音が大きすぎて先輩の声が聞こえなくなり、息が苦しいとしか
考えられなくなりました。
その次の日はお休みでしたが夜寝たのにも関わらず1日中寝てました。
次の日、仕事に行こうと起きると仕事中の動悸がフラッシュバックして、動けなくなりました。そして私は仕事にいけなくなり、休職となりました。
この時の転職した条件は
・フルタイム、常勤(週5勤務)
・プリセプターなし
・療養病棟だがケアが重い病棟
でした。
この病院では4ヶ月目でパニック発作を起こし、突然仕事に行けなくなり、休職しました。
仕事中に先輩たちの話を聞くと、先輩たちでも勤務を回すのが結構きつい…と言われている職場でした。
上の二つの事例を見ると、障害や病気をオープンにした時としなかった時の差が歴然としていると思います。
発達障害を持って仕事をするためには周囲の理解が絶対に必要です。
クローズにした場合は転職の幅が広がりますが、健常者でもきつい勤務をこなすことを
求められる可能性があるということを念頭に置いておいた方がいいと思います。
では、その職場に理解してもらう方法はあるのか?と
思いますよね。私が今検討している方法も含めて載せたいと思います。
方法①紹介サイトに相談する
これは私もこれから実践していこうと思っていますが、実際に紹介サイトに
発達障害のことを伝えて、転職を成功させている方もいらっしゃいました。
その方も4つ紹介サイトを使用して、そのうち2つは断られたらしいですがあとの2つは
誠実に対応してくれたそうです。
なので、紹介サイトに障害のことを伝えることも1つの方法だと思います。
方法②障がい者専門のサイトで転職をする
現在は障がい者に対する認知度も上がってきており、専門の転職サイトも多数存在します。
その中で看護師の転職枠もあります。
障がい者専門の転職サイトを使用することも一つの方法であると思っています。
ただし、この障がい者専門の転職サイトは障がい者手帳が必要になるので
少し難易度は上がります
方法③単発派遣で働いて合う職場を見つける
「そうは言っても発達障害を公開して働くのは気が引けるな…」と思う方は
単発の派遣などを利用して、自分にはどんな働き方があっているのか。
どんな職場だったら負担が少なく働くことが出来るのか
を見極めることが出来ます。
単発だったら、苦手な人や合わない仕事だと思ったら行かなくても良いですしね。
そして、もし合う職場であればパートなどの登用も見込めるので是非おすすめです。
私も今後はこの方法で仕事を探していこうと思っています。
注意したいこと
私は発達障害に理解がある職場に行くことが一番大切だとお伝えしましたが
注意したいことがいくつかあります。
一つは 転職の幅が狭まること
障害があることを伝えると当然選べる仕事の幅は狭まります。
これは採用者側の立場になって考えるとわかりますが、同じ能力の人が2人いて
障害がある人とない人どちらをとるかとなると、たぶん取るのは
障害がないひとですよね。
なので幅が広がるのは覚悟はしておく必要があると思います
二つ目は 差別される可能性がゼロではない
本当の意味で上司が障害に対して理解がある職場であるのが理想ですが、
中にはそれを理由に差別的な発言をしてくる人がいる可能性もあります
そういったところも含めて慎重に職場を検討したいですね
まとめ
では、この記事のまとめです
- 発達障害があっても看護師として働くことはできる
- 自分らしく働くためには職場の理解が必要
- 転職時に伝える必要がある
- 場合によっては転職の幅が狭まる可能性がある
- 転職サイトを利用する方法、派遣サイトを利用する方法がある
- 障がい者専門の転職サイトを利用する方法もある
発達障害があっても、工夫をすれば看護師として働くことができることが分かりましたね。
今は先が見えなくて苦しいと感じている方も多いと思います。
でも、大丈夫です。看護師と言う働き方は沢山あるし、看護師以外の働き方をしても良いのです。
自由に生きて良いのです。
この言葉が、今悩んでいる人に届きますようにと思ってこの記事を書きました。
よかったら、新卒4ヶ月目で適応障害になって、初めて転職した時の体験談を載せたこちらの記事も
ご覧になって下さい。
適応障害をオープンにしても親身になって話を聞いてくれたレバウェル看護(旧:看護のお仕事)の担当者さんがいてくれたからこそ今の私があると思います。
レバウェル看護はヒアリングにとても力を入れている会社で、担当者にもよりますが
決して担当者の考えを押し付けたりせずに話を親身に聞いてくれるので
本当に自信を持っておすすめできます。
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