「病棟での仕事を辞めてデイサービスで働いてみたいけどよく分からない…」
という方も多いのではないでしょうか?
この記事ではデイサービスで働く看護師の仕事内容やどんな人が向いているか、必要なスキルなどについて紹介していきます。
この記事を読むと、デイサービスで働く看護師について知ることが出来ます!
デイサービスとは
そもそもデイサービスとはどのような場所なのでしょうか
デイサービスとは介護保険サービス「通所介護」の通称です。利用者は自宅で生活しながら日帰りで施設に通い、体操や食事、入浴などのサービスを受けられます。老人ホームのように移り住む施設ではありません。
https://www.unimat-rc.co.jp/media/dayservice
デイサービスは、利用者が自宅で生活をしながら、可能な限り自宅で生活を送れるようにすることを目的として通いながらQOL(クオリティオブライフ)の向上を目指す施設です。
そのために、介護職員、看護師、生活支援相談員、機能訓練指導員などのスタッフが配置され、サービスの提供を行います。
令和元年の厚生労働省の調査では、全国で24038(※)の事業所があり、高齢の方が気軽にサービスを受けることが出来ます。
運営母体は特別養護老人ホームや介護老人保健施設を運営している社会福祉法人や医療法人が運営していることが多いですが、デイサービス単独で運営している企業・法人も少なくありません。
※(出典)厚生労働省「令和元年介護サービス施設・事業所調査の概要」
デイサービスの種類
デイサービスは全国に多数あるとお伝えしましたが、それぞれデイサービスには特化している内容があります。
その種類を大きく3つに分けると以下のようになります。
- 機能訓練型デイサービス
- 趣味重視型デイサービス
- 認知症対応型デイサービス
機能訓練型デイサービス
機能訓練に特化したデイサービスででは、運動療法やリハビリに重点が置かれており、食事や入浴は行いません。多くの事業所では3~4時間の半日制をとっており、午前と午後にご利用者さんが入れ替わります。
理学療法士や作業療法士、柔道整復師など専門の国家資格を持った職員が配置されている事業所が多く一人ひとりにあった個別の機能訓練の提供を行っています。
半日でご利用者が入れ替わるので送迎の頻度が増えますが介護者の負担が大きい入浴介助を行わないため介助者の身体的な負担が少ないという特徴があります。
趣味重視型デイサービス
趣味重視型デイサービスはパッチワークや手芸、陶芸や油絵、園芸などの創作活動、歌や音楽のリズム系活動、
オセロや将棋、麻雀やパチンコなどの娯楽系活動などを行う施設です。
リハビリ重視型と比較して趣味を楽しみながら無理なく機能維持やリハビリなどに取り組むことが出来ます。
手先・指先の動きは脳を活性化し、歌を歌うことで心肺機能の向上や認知症予防になります。
認知症対応型デイサービス
認知症対応型デイサービス上記の2つとは少し違う特色をもっており、地域密着型サービスになります。
地域密着型サービスとは
・地域密着型サービスとは介護度が重くなっても、できる限り住み慣れた地域で生活ができるようにする目的で創設されたサービスです。
地域の特徴を活かし、その地域に沿ったサービスを提供するために、事業者の指定や監督は市町村が行っています。
利用できる人が決まっており、地域密着型サービスが利用できるのは下記の対象者になります。
・65歳以上の方(※1)
・要介護認定を受けている方(※2)
・原則としてサービス事業者と同一の市町村に住民票を有する者
※40~64歳で特定疾病により要介護認定を受けている方も対象です
※介護度によって利用できるサービスが異なります。
https://kaigo.homes.co.jp/manual/homecare/zaitaku_service/area/
最大の特徴は認知症の研修を受けたスタッフから専門的なケアを行うという点です。
そのため、人員配置も手厚くなっております。高齢者のケアと合わせて認知症ケアについて学ぶことが出来ます。
デイサービスと一言で言っても種類が沢山あるんですね!
デイケアとの違い
通いでの介護施設として「デイケア」という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。
デイサービスとの違いは、目的の違いにあります。
デイサービスは食事や入浴、排泄の介助など日常生活の援助を受けることを目的としているのに対し
デイケアはリハビリが中心のサービスになります。
サービスの目的は身体機能の回復や維持、日常生活の回復、認知機能の維持、改善になり、医師が常勤しています。
リハビリは主治医の指示を受けて行います。
デイサービスで働く看護師の役割
ここまで、デイサービスについての基本的な内容についてお伝えしてきました。
次はデイサービスにおいて看護師はどのような役割があるのか見ていきましょう。
デイサービスでの看護師の役割
デイサービスでの看護師の役割はご利用者さんの健康状態の把握です。
入浴や運動を行ってよいかを判断する重要な役割を担います。また、ご利用者さんは高齢者であるため、小さな変化を見逃さない観察力が求められます。
そのためにしっかりと記録を付けることも必要です。
また、医師が常駐していないため急変があった場合は看護師が責任を持って対応に当たる必要があります。
医療機関で働く看護師よりも積極的な行動と判断力が求められます。
デイサービスでの仕事内容
ご利用者さんの健康管理が主な業務となります。なので、具体的には
- バイタルサイン測定
- 薬の管理
- 口腔ケア
などが仕事内容になります。
また、ご利用者さんによっては、血糖測定やインシュリン注射、軟膏や点眼、服薬指導や補助、爪切りや傷の処置を行うといった内容が加わります。また、必要時摘便や浣腸を行うこともあります。
また、デイサービスでは看護師以外にも介護士や理学療法士、作業療法士が働いていますので、
他のスタッフの仕事を手伝うことも求められます。
デイサービスの一日の仕事の流れ
頑張りましょう!
9:00 | 出勤・お出迎え 出勤後、ご利用者さんが送迎車で来られるので、お出迎えをします。 |
9:30 | バイタル測定 ご利用者さんのバイタルサイン測定を行い、健康状態の確認を行います。 |
10:00 | 入浴後の処置 軟膏の塗布や湿布の貼り付け、褥瘡の処置などを行います。 |
11:00 | レクリエーションの対応 レクリエーションの対応をしながら、ご利用者さんの安全管理や健康状態の確認を行います。 |
12:00 | 昼食時の対応 食前・食後の内服対応、血糖測定、インシュリン注射、食事介助のサポート を行います。 |
13:00 | 休憩 |
14:00 | 業務記録作成 バイタルサイン、日中の健康状態、接種状況、排泄回数、処置内容などの記録を行います。 |
15:00 | レクリエーション、リハビリ対応 ご利用者さんの安全管理、健康状態の確認を行います。 |
16:00 | 見送り ご利用者さんが最後まで安全に過ごせるように最後の方まで見送ります。 |
16:30 | 片付け・翌日の準備 |
デイサービスに向いている看護師とは
高齢者とのコミュニケーションが好きな人
健康管理やレクリエーションの補助、服薬指導など、高齢の方と毎日密にコミュニケーションを行うため、高齢の方とのコミュニケーションが好きな人であれば、仕事を楽しく行うことが出来るでしょう。
利用者さんが気持ちよく過ごしてもらえるように、笑顔を欠かさず会話できることが大切になってきます。
身体を動かすことが好きな人
入浴介助や身体介助の補助に入ることが多いので、身体を動かすのが好きな方であればやりがいをもって仕事を行うことが出来ると思います。
体力に自信がある人であれば、入職したあとに「こんなはずじゃなかった…」と思うことを避けることが出来ます。
また、レクリエーションのサポートに入ることもあるので、高齢の方と一緒に身体を動かすことを楽しめると、より仕事を楽しいと感じられるでしょう。
規則的な生活を送りたい人
デイサービスは日勤のみのシフトになりますので、生活リズムを整えることが出来ます。
予定も立てやすいので、プライベートや家庭との両立を図ることが出来ます。
転職の際に確認しておくべきポイント
ここまでデイサービスで働く看護師について解説してきました。
「デイサービスで働いてみたいけど、どこを見たらよいの?」という方のために
求人をチェックする時のポイントを解説して行きたいと思います。
ここを見ておけば安心です!
どんな特徴があるデイサービスなのか
前記した通り、デイサービスは現在多数の施設があり、その特徴も様々です。
自分がどんな看護をしたいのか、学びたいのかを明確にしていくと、やりがいをもって仕事を続けられると思います。
例えば、認知症看護を学びたいのであれば、認知症対応型デイサービス、利用者さんと一緒に身体を動かすのが好きな方であれば機能訓練型デイサービスで働くなど、それぞれの目標にあった事業所を選ぶことが大切になってきます。
自分がどんな看護をしていきたいのか明確にしてから事業所の特徴を確認すると良いと思います。
福利厚生はどのようなものがあるか
デイサービスは運営母体が小さい事業所もあるので、福利厚生が一般的な病院と異なることがあります。
中には賞与がないところや手当が出ないところもあります。
転職後に「こんなはずじゃなかった」とならないよう、求人を探す段階から福利厚生や給与面についてしっかりと確認をしておくとよいでしょう。
どのような看護師業務があるか、看護業務以外の業務量はどのくらいか
これは、求人を見るだけではわからない可能性がありますが、必ず押さえておいた方が良いポイントです。
デイサービスはギリギリの人数で回しているところもあり、看護業務以外の業務を求められます。
施設によってはご利用者さんの送迎者の同乗など、看護業務の枠を大きく超えた業務まで含まれている場合もあるため、就業後に「看護業務以外の仕事量が多すぎる…」とならないよう、確認しておくことが大切です。
また、日常的な残業量についても確認しておきましょう。
自分で直接確認し辛ければ、転職エージェントにお願いすることもできます。
まとめ
ここまで、デイサービスの基礎知識から業務内容、向いている人までデイサービスについて細かく解説してきました。まとめると
- デイサービスは心身の機能の維持、改善の自宅から通い、日常生活の援助を受ける場である
- デイサービスには大きく分けて3つの特徴がある
- 看護師の重要な役割としてご利用者さんの健康管理がある
- 看護業務以外の補助業務がある
- デイサービスに向いている人は高齢者の方とのコミュニケーションが好きで身体を動かすのが好きな方
- 医師がいないため緊急時判断を求められる
- 求人を探す時に確認することは①施設の特徴②福利厚生⓷業務内容、量、残業量である
この記事を読んでデイサービスで働いてみたい!と思った方は是非求人を探してみて下さい!
また、転職サイトに登録することで非公開求人の紹介を受けられたり、エージェントを利用することで
より自分の希望にあった職場を探すことが出来るので是非利用してみて下さいね!
ここまでお読みいただきありがとうございました!